話題の週末起業(副業)のメリットは?注意点や両立のポイントを紹介

「週末起業」とは副業のやり方のひとつです。本業がある方が、本業とは別に休日を起業(副業)にあてる副業の方法です。休みの日を利用した副業ですので、本業の残業や本業が終わった後の付き合いやプライベートが阻害されることがありません。本業と副業を切り分けることで両立しやすくなる、自己実現につながるなどのメリットが考えられますが、一方で休日が潰れてしまうのがデメリットです。週末起業のメリット、注意点と両立させるポイントについて紹介します。

1.副業による週末起業とは

週末起業とは、本業が休みの日を利用して起業することです。平日は本業に従事し、休日を中心に、雇用されないフリーランスとして働く状態をさします。本業に対するサブの仕事ですので、シンプルに副業といってもいいでしょう。しかし休日に起業するという特徴から、このような働き方を特に「週末起業」と呼ぶことがあります。

「起業」となるので、アルバイトのような雇用される働き方は含みません。雇用される場合は「副業」もしくは「複業」という言い方がふさわしいでしょう。起業とは例えば、週末に自宅で料理教室を開催したり、SEとして案件を受注したりするような働き方です。業種はさまざまですが、雇用されずに個人で「顧客を開拓する」「仕事を受注する」などして事業を進めます。

本記事では週末起業を次のように定義して、メリットや両立のポイントを述べていきます。

・本業を持っている者が休みの日(ここでは土日とする)に行う「起業」

・平日は原則として作業が発生しない

・週末起業の年間所得は20万円以上(確定申告の必要が生じる)

2.週末起業で得られるメリットは

週末起業は、次のようなメリットがあるため、注目されています。通常、真っ先に挙がるメリットとして「収入の上乗せ」が該当しますが、ここではそれ以外のメリットを紹介します。

・本業との切り替えがしやすい

週末に起業するため、本業との切り替えがしやすいです。本業と週末起業を、メリハリをつけて打ち込むことができますし、仮に双方でトラブルが生じてもストレスを引きずらずに仕事に取り組みやすいです。

・週末にしっかり時間が確保できる

土日の2日間を作業時間として確保できます。細切れではなく作業や課題とじっくり向き合えるため、業務がスムーズに進みやすいです。

・効率的なキャリア開発が見込める

例えば経営者としての感覚のように、本業ではできない経験を積むことができます。もしくは、本業につながる能力を伸ばすことも可能です。休日を利用して、効率的なキャリア開発に叶います。経験を多く積める分、ビジネスに関する自己成長も促せます。

・自己実現につながる

本業が生活を支えていれば、自身の充足感を最優先とした起業が叶います。例えば自分の好きなことや得意なこと、もしくは社会貢献など。自身の価値観や情熱にもとづく仕事にチャレンジできます。

上記のようなメリットがあります。とはいえ、すべてのメリットをパーフェクトに享受するのは難しいいかもしれません。例えば、本業につながる週末起業であれば、キャリア開発にはゆうかもしれませんが、本業・週末起業のメリハリはつけにくくなる可能性があります。

ご自身にとって特に価値があることを明確化し、優先順位の高いメリットをしっかりと受け取れるように意識します。それによって、より意義のある週末起業が実現するでしょう。

3.週末起業の注意点

週末起業には多くのメリットがありますが、注意すべき点があります。

セルフマネジメントが求められる

やはり休日がなくなってしまうことに注意が必要です。休日は本来、休息や家族とコミュニケーションをとるために費やす時間です。

本業はもちろんですが、生活や人間関係に支障が出ないよう、うまく調整してかなければなりません。通常、起業当初は一人きりですべての業務を回していきます。体調不良や外せない予定が入った時などに業務に支障が出ないよう、余裕を持ったスケジュールを心掛けなくてはなりません。その意味では自分自身のスケジュールをうまくマネジメントしていくことが求められます。

ビジネススピードに限界がある

新規に事業を始める場合、ただでさえ軌道に乗るまでは時間を要するでしょう。特に週末起業ですと原則週末しか動けないため、スピーディーな対応が難しいです。時には商機を逃してしまうこともあるかもしれませんが、平日に無理をすると本業に支障が生じかねません。週末起業の事業はじっくりと成長するものだと考え、スピード感は求めない方がいいでしょう。

納税の手間が生じる

週末起業で一定の収入を得た場合、自身で確定申告をして、所得税を納めなければなりません。本業が会社員の方は、新たに確定申告の知識を得て対応する必要があります。確定申告は前年1年間の収支をもとに、3月に行います。多くの企業で、3月は決算や異動が生じる多忙な時期ですので、負担が重くなる可能性が高まります。

4.週末起業を本業と両立させるポイントは

本業に支障をきたさず週末起業を成功させるためのポイントを2つ紹介します。

ポイント1.自己資金での起業を心掛ける

セルフマネジメントが重要であることや、成長スピードを求めすぎないことは既述のとおりです。しかし、開業や運転資金の借り入れを行うと、返済のためにある程度の取引や業務をこなさなくてはならなくなるでしょう。資金が豊富になるとできることの幅は広がるかもしれませんが、返済という重しによって事業の自由度は下がってしまうかもしれません。

本業との両立を重視するならば、週末起業は自己資金のみで始めることをおすすめします。

ポイント2.事前に納税の知識を得ておく

所得税の確定申告は、翌年の3月に行います。確定申告が近くなってから慌てて準備をすると大きな負担になってしまうでしょう。しかし、確定申告は1年間の収入と支出(経費)を明らかにして、所得を明確にする作業です。日々の記録の積み重ねであり、起業時から収入や支出を丁寧に記録しておけば、申告時の手間を軽減できます。

週末起業の検討段階から、納税についても知識を得て、日々の業務と並行して確定申告の準備作業もしておくようにしましょう。

まとめ.週末起業の可能性は広い

週末起業は、セルフマネジメント能力が問われますし、納税知識も必要です。しかし小さく事業を始めることや事前に納税知識を学んでおくことで、本業と両立できる可能性が高まります。本業という軸があるうえで週末起業を行えば、収入アップや効率的なキャリア開発、もしくは自己実現など、さまざまなメリットが期待できます。自身の目標に応じて週末起業をすることで、生活の質向上やキャリア自律などが見込め、人生をより豊かにすることにつながります。興味がある方は、週末起業を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。