「開業前に買ったパソコンって、経費にできるの?」
フリーランスになろうとしているとき、もしくはフリーランスになってしばらくたったとき。ふとこんな疑問を持つ方は少なくありません。特にWEBライターや副業から独立を考えている場合、開業前にパソコンを購入しているケースはよくあります。
結論から言うと、開業前に購入したパソコンでも、条件を満たせば経費にできる可能性があります。ただし、購入時期や金額、使い方によって可否は変わり、誤った処理をすると後から修正が必要になることもあります。
この記事では、
- 開業前に購入したパソコンは経費にできるのか
- 経費にするときの具体的な注意点
- 開業前、もしくは改めてパソコンを購入するときのパソコンの選び方
これらについて、フリーランスとして開業を目指す、もしくは開業したての方向けに解説します。
1. 開業前に購入したパソコンは経費にできる
開業前に購入したパソコンは経費になりますが、条件や計上方法に注意が必要です。
1-1. 事業に使うなら経費計上できる
開業準備中に、開業のために購入していることが前提条件です。そもそも、経費に計上できるのは事業に関連する支出だけだからです。
「開業準備中」がどの程度の期間を指すかは明示されていません。ただし、あまりにさかのぼると、開業準備である証明が難しくなるため、開業前1年程度が最長期間であると推測されています。
さらに実務的には、実際に「事業のために使っている」ことも重要です。後に税務調査が入る可能性もあるため、開業前/開業後ともにパソコンを何に使ったのか説明できるようにしておきます。
1-2. 経費計上は開業費と固定資産のケースがある
経費に計上する場合の勘定科目は、「開業費」と「固定資産」が考えられます。勘定科目の判断基準は、購入金額です。
- パソコンの費用が10万円未満 「開業費」として処理できる
開業費として経費計上できます。
なお、開業費の対象はパソコンだけではありません。開業前に業務用デスクやチェアを購入したケースも、同じく開業費に計上できます。
- パソコンの費用が10万円以上 「固定資産」扱いになる
パソコンにかかった費用が10万円以上ですと、「固定資産」として計上します。この時は、経費を按分して計上する減価償却を行います。通常のパソコンの場合、法定耐用年数は4年です。仮に20万円のパソコンを購入して法定耐用年数で按分するときは、5万円を4年ずつ費用に計上します。
【参考:固定資産の減価償却】
一括償却資産
これは減価償却資産を、使用を開始した年から3年間にわたって、取得価額の合計額の3分の1ずつ経費として計上できる償却方法のことです。「3分の1ずつ、3年間」という明瞭な処理方法を取れるのはメリットでしょう。
少額減価償却資産の特例
取得価額10万円以上30万円未満の資産を取得した際に、年間300万円を上限として取得年に一括で経費計上できる特例です。
なお、青色申告をしている個人事業主(や中小企業)が対象です。開業したての個人事業主が利用するケースは少ないかもしれません。しかし開業早々収益が大きく、経費をしっかり計上したいような場合には検討の余地があります。
2. 開業前に購入したパソコン代を経費にするときの注意点
開業前にパソコンを購入して経費として計上したい場合、次の点に注意します。
- 領収書は必須
通常の経費計上と同様に、領収書は必須です。
なお、クレジットカード明細でも代用できる可能性はありますが、あくまで領収書が基本です。クレジットカード明細を購入の根拠とするのは、領収書がないときの例外的な措置としましょう。 - プライベートでも使用する場合は家事按分を利用
家事按分とは、事業とプライベート兼用の支出について、それぞれの利用分で分けて計上する方法です。使用時間等、合理的な割合で処理をする必要があります。 - 開業が遅れると経費に計上できないことがある
前述の通り、開業前の経費として認められる期間は開業前1年程度と考えられています。「1年後の開業を目指してパソコンを購入したが、準備が進まず開業に2年を要してしまった」といった場合はパソコンを経費にするのは難しいでしょう。 - 仕入としてのパソコンは「棚卸資産」として計上する
事業者が事業のために購入するパソコンと、販売するためのパソコンでは会計上の取り扱いが異なります。
3.開業前にパソコンを購入するときの選び方
開業前にパソコンを購入する場合、事業者目線でパソコンを購入することも大切です。ここでは、ノートパソコンとデスクトップで迷ったときの選び方と、価格帯の考え方をご紹介します。
3-1.ノートパソコンかデスクトップか
パソコン選びでは「ノートパソコンとデスクトップ、どちらが良いか」で迷う方が多いですが、正解は作業スタイルによって異なります。
フリーランスの場合は、収入規模や働き方を前提に考えることが大切です。
場所を選ばないノートパソコンが向いているのは、次のような方です。
- 自宅以外(カフェ・コワーキングスペース)でも作業したい
- 自宅で作業するときも、書斎がなくリビングを使用する
- 引っ越しや生活環境の変化があり得る
- 数年以内に買い替えや追加購入を考えている
一方で、デスクトップが向いているのは、次のような方です。
- 自宅の決まった場所で腰を据えて作業する
- 長時間作業が多く、作業効率や画面の見やすさを重視したい
- 動画編集やデザインなど、高スペックが要求される作業がある
デスクトップの画面の見やすさや高さ調節のしやすさは、作業環境の良さに直結します。長時間の作業では特に、目や肩の負担を減らしやすく、生産性が上がるケースもあります。
3-2. 事業用を前提にした価格帯の考え方
- オーバースペックにしない
CPU・メモリ・ストレージなど、スペックはいくらでも上げられますが、その分価格も上がります。経費は費用対効果が重要です。その点、収益が発生しない「開業前」であれば、費用はシビアに見積もるべきです。必要なスペックを厳選して費用を抑える意識を持つのがベストでしょう。 - 10万円・20万円のラインを意識する
価格帯によって会計処理が変わります。シンプルに「開業費」で計上したいなら、10万円未満を検討するのも一手です。
まとめ
フリーランスが開業前に購入したパソコンでも、条件を満たせば経費にできる可能性があります。
重要なのは、事業のために購入・使用していることが説明できるか、そして購入金額に応じた正しい会計処理を行っているかです。開業前後の支出は早めに整理しておき、開業後の会計処理に役立てましょう。