火災保険は複数の損害保険会社から商品が販売されています。商品数が多いのでどう比較していけばいいのか迷う人も多いかもしれません。火災保険を選ぶときは保険料が気になりがちですが、火災保険を役立てるためには、保険料だけでなく「補償内容」と「対応力」もよく見ることが重要です。それらを見極めるための考え方を紹介します。

(最終更新日 2021-5-29)

火災保険において保険料が決まる要素は

まず、注目しがちな「保険料」が決まる要素を紹介します。火災保険の保険料が決定する要素は大きく「固定化された要素」と「契約者の希望に応じた要素」に分かれます。

1 固定化された要素

「建物構造」や「建物の所在地」です。同じ保険内容でも建物の構造によって保険料が異なります。簡単にいえば耐火性の高い建物は、より火災保険料が安くなります。具体的にはコンクリートやレンガ造りの共同住宅である「M構造」、M構造ではないが耐火構造である「T構造」、先の2つに該当しない「H構造」があります。所在地も影響するのは、地域によって天候リスクや災害リスクが異なるからです。リスクの少ない地域のほうが火災保険料は抑えられます。

2 契約者の希望に応じた要素

補償内容や家財保険を付帯するかなどは、希望に応じて選択することが可能です。

 

固定化された要素については個人の意思で変更することができません。そのため火災保険を選ぶさいに個人が選択するできる余地があるのは「補償内容を取捨選択」や「家財保険の有無を決定」もしくは、支払い方法を選ぶことが該当します。つまり「火災保険料」に限ると、加入時にできることはそう多くありません。そこで次章以降、火災保険料で以外の満足度を高める方法として「補償内容」「対応力」「情報の取得しやすさ」を見てきます。

※補償内容・家財保険・支払い方法等については「火災保険のメリットと必要性は?家計が苦しいときこそ火災保険の重要性が増す」をご覧ください。

ポイント1 補償内容は適切か

火災保険は火災のみならず、水災や風災などの自然災害のほか、「自動車の飛び込みなどによる損害」「水漏れ」などさまざまな損害を補償します。

【主な補償内容】

火災・自然災害リスク

  • 火災・落雷
  • 破裂・爆発
  • 水災
  • 風災・ひょう災・雪災

日常生活におけるリスク

  • 盗難
  • 破損等
  • 水濡れ・物体の落下・飛来・騒擾など

 

補償内容を自ら選択していくのは大変に思えるかもしれませんが、主要な補償については、多くの火災保険会社がパッケージ化しているので比較しやすいです。例えば保障範囲を絞った「シンプルプラン」、通常の補償内容の「ベーシックプラン」、保障の手厚い「ワイドプラン」のように商品展開です。迷ったらまずはベーシックなプランを選び、パンフレットや見積もりを検討しながら微調整していくといいでしょう。

 

主要な補償内容以外にも注目

主要な補償については、各社大きな違いはありません。しかし、それ以外の細かい部分では差異が生じることがあります。

費用保険

損害が生じたさいに、建物・家財への直接的な被害だけでなく、それに付随するさまざまな費用が発生することが見込まれます。それらの費用の一部を負担するのが「保険金費用保険」です。複数の種類があるので、いくつか紹介します。

・残存物取片づけ費用保険金

損害を受けた保険の対象の残存物を片付けるための費用に対して支払われる

・臨時費用保険金

損害保険金が支払われる被害にあった場合に、臨時に生ずる費用(仮住まい費用等)に対してお支払われる

・失火見舞費用保険金

失火・爆発事故により隣近所に損害を与えた場合の見舞金に対して支払われる

賠償責任保険特約

身近な事故を補償する特約です。例えば不注意で「人にケガをさせてしまった」「他人の物を破損してしまった」など法律上で損害賠償義務を負ってしまうような場合に備える保険です。さらに、示談交渉サービスが付帯していることもあります。

トラブル対応

カギの紛失、住宅設備のトラブルなどに対応するサービスを提供している火災保険もあります。

 

こういった補償・特約について「手厚いほうがいい」と考える人もいれば、「利用するかわからないのでシンプルなほうがいい」と考える方に分かれます。ご自身がどちらの考えなのか明確にして、ニーズに合った火災保険を選びます。

ポイント2 対応力や基本方針の確認

火災保険の真価は損害が生じた場合に現れます。そのためいざという時にどんな対応をしてくれるのかが重要です。契約前にそれを見極めるのは容易ではありませんが、問い合わせや見積もり請求によってある程度対応力を推し計ることは可能です。例えば疑問を電話で問い合わせる場合は「電話のつながりやすさ」「商品知識の豊富さ」などが確認できます。気になった保険会社なら、見積もりを請求し、見積書の内容を問い合わせるのも選択肢の一つです。

見積もり請求が大変な場合は、一度に多くの火災保険会社へ見積もりを依頼する「一括見積サイト」を活用する方法もあります。ただし通常の見積もりサイトは、保険会社ごとに個別に見積もりが届きます。会社ごとに見積もりの書式が異なります。そのため、単純に保険料を比較したい方には向かないでしょう。

参考  一括保険見積もりサービスサイト
【インズウェブ火災保険一括見積もりサービス】  
火災保険一括見積もり依頼サイト  
火災保険の比較・見積もりなら「火災保険のGift」
価格.COM 火災保険 比較・見積もり

 

保険会社へ届いた「お客様の声」を確認できる

さらに、一般社団損害保険協会に寄せられた「お客様の声(苦情)」を確認するものおすすめです。これは損害保険協会に所属する会社ごとに分類され件数や内訳が公開されています。損壊保険協会に所属している保険会社のみが対象となりますが、参考になるでしょう。ただし、契約件数が多ければ相対的に「お客様の声」も多くなると推測されるため、件数だけを見で対応力を判断することは避けます。

一般社団損害保険協会の「お客様の声(苦情)」からは、各保険会社の経営やお客様対応に対する「会社の対応態勢」も掲載されています。各社の基本方針もチェック・比較したい場合にも有効でしょう。

参考 一般社団法人損害保険協会「会員会社に対する「お客様の声(苦情)」とこれを受けた取組み」

ポイント3 火災保険にかかる「情報」を取得しやすいか

直接的なポイントではないかもしれませんが、火災保険会社の公式サイトの見やすさもチェックしておきます。契約した後に何らかの理由で契約内容や手続きに疑問が生じた場合に、公式サイトが見やすく、かつ充実していると知りたい内容の答えを手間なく知ることができるからです。

サイトの見やすさは下記の2つをチェックするといいです。

・「よくある質問」が充実、かつ見やすいか

・AIチャットのレベルが高いか

これらが充実していると、電車の中や寝る前など、スキマ時間に疑問を解決することが可能です。

もちろん、公式サイトで答えが見つからなくとも自身の専用ページにログインしたり、直接サポートセンターに問い合わせたりすれば疑問は解消するでしょう。しかし、その場合ログイン作業や対応時間内に問い合わせる、といった手間が生じます。公式サイトは手軽に疑問を解消できるツールですので、見やすさも重視しましょう。

■地震保険の保険料に変わりはない

地震保険に関しては、政府で保険料が定められているため保険会社で違いはありません。冒頭で紹介した「建物構造」や「建物の所在地」のように、固定化された要素です。

地域によって定められた保険料に差があること、そして耐震等級によって割引率が異なることを理解してきます。耐震等級の割引は10%~50%と幅があります。先に述べた見積書において耐震等級が考慮されているかどうかで金額に差が生じることも知っておきます。

■火災保険は保険料以外の要素も重視しよう

火災保険を選ぶ際は保険料を重視してしまいがちですが、保険料は固定化された要素もあるので、低く抑えるのには限界があります。補償内容や対応力も合わせて比較したいです。何かあったときにしっかり補償を受けられる火災保険を選んでいきましょう。

※本記事には執筆者の主観的な意見が含まれています。最終的な判断はご本人のご意志で決定してください。