火災保険の保険料は、保障内容や支払い方法によって数十万円単位になります。住宅購入時は他にも引っ越し費用や家具の購入になどが発生するため、家計への負担が大きいでしょう。場合によっては補償を削って節約したくなるかもしれません。しかし節約することで必要な補償が得られなくなっては本末転倒です。火災保険は少ない金額で大きな損害に備えることができる、効率的な保険です。火災保険の仕組みや補償内容を知り、メリットと必要性を理解しましょう。

(最終更新日2021-05-30)

火災保険のメリットと必要性

火災保険は家や家財を守るものです。補償対象である家と家財の総額は数百万円~数千万円になりますので、少ない保険料で大きなリスクに備えることができます。

また火災保険が適用されるのは「火災」だけでなく「自然災害」も含まれます。災害は被害がご自身だけでなく周辺地域に及んでいることが懸念されるため、被害がより深刻なる懸念があります。場合によっては、復旧のため当分仕事に行けないこともあるでしょう。このような、苦しいときに保険料が受け取れれば大きな助けになるはずです。効率的にリスクを回避する手段として、火災保険は有益です。

なお、新しく住宅を購入する場合は火災保険への加入はほぼ必須と考えます。住宅購入では住宅ローンを組むことがほとんどで、借入の条件として火災保険加入が義務付けられているのが一般的だからです。住宅購入を検討している人は、早い段階から火災保険選びを始めておかないと、住宅ローン契約の際に慌てて火災保険を選ぶ……といった事態になりかねませんので、早めに準備・検討していきます。

家計が苦しいときは火災保険の補償を見極めよう

火災保険に加入するタイミングは主に次の2つです。

 

1 マイホーム購入や未加入の人による新規加入

2 加入している火災保険が期限切れになることによる新規加入

 

どちらの場合でも「火災保険料は節約したい」と考える人が大半でしょう。しかし同時に、「必要な補償はしっかり受けたい」とも考えてもいるはずです。火災保険で適切な補償を選ぶには、補償内容を厳選する方法があります。手厚い保障に加入するのがベストではありますが、補償を絞ってでも加入したほうが万が一の場合のリスクは軽減します。

 

火災保険を節約するには、補償内容を知ることが重要です。基本構造と補償対象について紹介します。

火災保険における補償対象は幅広い

火災保険の補償対象は広範囲です。一般的な火災保険の補償対象を紹介します。

火災・自然災害リスク

  • 火災・落雷
  • 破裂・爆発
  • 水災
  • 風災・ひょう災・雪災

日常生活におけるリスク

  • 盗難
  • 破損等
  • 水濡れ・物体の落下・飛来・騒擾など

その他のリスク

  • 火災や損害発生時に仮住まい費用や引っ越し費用に充てられる「臨時費用保険金」
  • 各種「見舞金」など

 

さらに特約として日常生活の中で起きた偶然な事故により賠償責任を負ってしまった場合を補償する「個人賠償責任」、自身の出火で近隣の家に被害が及んだ場合を補償する「類焼損害補償特約」などもあります。

補償を厳選して保険料を節約したい場合は、被害が大きくなると想定される自然災害をメインに、そのほかの補償を選択していきます。補償を厳選したい場合は、補償内容を自由に選択できるカスタマイズ型を選択するといいでしょう。もしもカスタマイズ型では補償をうまく選べない場合は、パッケージ型で希望に合うものを探していきます。

なお、補償を決めるときは地域の災害リスクも知っておくべきです。例えば、水害の少ない場所なら水災補償をつけないことも選択肢になるかもしれません。逆に過去に水害被害が生じている場所なら、火災保険料が高くなっても水害補償をつけるべきです。国土交通省のハザードマップで家のある地域の災害リスクを確認しておくといいでしょう。

※火災保険の「その他のリスク」「個人賠償特約」等について詳しくは「火災保険はどう選ぶ? 選ぶさいのポイントは加入後を見据えること」をご覧ください

火災保険は大きく2つの構造

火災保険は大きく「建物の補償」と「家財の補償」に分けられます。「建物の補償」は家への損害を補償し、「家財の補償」は家具や衣類、電化製品などを補償します。

もしかしたら「節約のために家財保険はつけるのをやめておこう」と考える人もいるかもしれませんが、火災や水災などの被害にあったときは、家だけでなく家財も大きなダメージを受けると考えられます。そのためどちらの補償もつけておきたいです。家財を一度に購入することになると、総額で大きな金額になるためです。

各損害保険会社では家財保険で必要な額について基準を公表していますので、それを基準にどこまで削減できるか考えてみましょう。

火災保険の「新価」と「時価」

火災保険には「新価」と「時価」があります。

新価とは

建物や家財が損害を生じたとき、新たに家を建て直すことができる(購入することができる)金額。「再取得価額」「再調達価額」ともいう

時価とは

「新価」から経年劣化や使用による消耗分を控除した金額

近年の火災保険は「新価」であるのが一般的ですが、仮に「時価」火災保険であると、損害時に時価評価した金額をもとに支払われる保険金額が決定してしまうので注意します。

支払方法を年払い、もしくは長期一括払いにする

「必要な補償をすべて選択すると、やはり保険料の負担が重い」と悩む方もいるでしょう。そのような場合は、支払い方法について考えてみます。

例えば支払い方法を年払いにすると、火災保険料を毎年支払うことになりますが、当初の支払い額を抑えることができます。一方、長期一括払いは当初の支払額は大きくなりますが、年あたりの支払い額は割安です。どちらが適しているかではなく、ご自身の家計にとって都合のいい支払い方法を選択します。

損害保険会社によって支払い方法のバリエーションは異なるため、火災保険を選ぶ段階から、支払い方法のバリエーションと支払い方法による金額の差をチェックしておきましょう。

ライフプランと火災保険

火災保険の契約期間は、今のところ最長10年です。既述のように、年払いよりも長期で一括払いしたほうが年あたりの支払いはお得になります。ただし、次の更新時期が家計にとって「教育費のピーク」、「退職直後」などに該当する場合、次回更新時(10年後)の支払いが厳しくかもしれません。火災保険料の支払い時期を覚えておき、支払いの時に困ることがないようにします。

火災保険料は住宅メンテナンス費として準備したい

「家計は苦しいので補償を厳選したが本当はもっと手厚い保障にしたい」と考えるなら、次の更新時に手厚い補償に加入できるよう費用を準備しておきます。火災保険を目的として資金を準備するのではなく「住宅メンテナンス費」として一定額を積み立てておくと様々な出費に備えられるのでおすすめです。「毎月1万円」、「ボーナス毎に3万円」のように「住宅メンテナンス費」を積み立て、必要出費に備えていきます。

 

自宅が一軒家であれば、外壁塗装やバリアフリー化などのメンテナンスが今後必要になるかもしれません。マンションであれば、内装リフォームやスケルトンリフォームなど居住部分のメンテナンス費を準備していきます。ライフプランを立てて、外壁塗装やリフォームをいつ頃行うのか計画していきます。

 

火災保険では自身のライフプランも確認しよう

火災保険加入時は補償内容を主体的に選ぶと保険料と補償内容ともに満足のいくものが選べるでしょう。ただし、火災保険は一度支払って終わりになる費用でなく、その後の定期的に出費することになる費用です。今後の支出額と支払いスケジュールも意識しておきます。

火災保険に限らず、大きな支出を確認しておくことは重要です。今後の支払いが大きくなる費用としては、住宅メンテナンス費ならば「防アリ処置」や「外壁塗装」などが該当します。必要な費用とその「時期」を把握しておきましょう。そうすることで、日々の家計の中からコツコツ費用を積み立てていくことが可能なので、いざ支払いが必要になった時に慌てることがありません。火災保険を賢く活用してライフプランを安定させていきましょう。