「育児休暇を取得した」「勤め先の業績が悪化した」「転職により」など、様々な理由で世帯収入が下がることがあります。なかには、生活はしているけれどもこのままで大丈夫なのか、漠然とした不安を感じている人もいるでしょう。近い将来家計が回らなくなるようであれば、早い段階で意識を切り替えていかなければなりません。ライフプランを活用して収入減によるリスクを見極める方法と、リスクが高い場合の対処法を紹介します。

(最終更新日 2021-5-12)

1 ライフプランとは

収入減によって「今まで継続していた貯金ができなくなった」「毎月赤字が発生している。赤字はボーナスで補てんして何とか家計を維持している」といった場合、今後家計は大丈夫なのか不安になることでしょう。今後の家計に不安を感じたときに役立つのが「ライフプラン」です。

ライフプランとは人生を長期的な視点で設計することです。小さな子供を持つ夫婦であれば、マイホーム、子供の進学、子供が独立した後の夫婦の生き方などを通じて人生を考えていきます。家計面では、夢や希望にかかる費用を知ることで、今後の家計状況を見通すことが可能です。また夢や希望が明確になるので、目標管理がしやすくなったり、夫婦間で人生設計を共有できたりする効果もあります。

ここでは、収入減に対処する方法がテーマですので、家計に生かす方法を見ていきます。具体的には、ライフプランを軸にお金の過不足を判断していく方法です。本来は、20~30年程度の長期的な視野で行うべきものですが、収入減による家計リスクのレベルを確認することが目的ですので、数年の家計状況を確認していきます。

 

2 家計リスクのレベルを見極める方法

ライフプランの簡易的な作成方法を紹介します。

5年程度の「お金の過不足」を確認するために、現在の支出と将来の支出を把握します。必要な情報は次の2つです。

1:該当年の年間収支

年間で家のお金が増えているのか減っているのか確認します。

「毎月3万円程度のマイナスだが、ボーナスで補てんしているので年間ではプラスマイナスゼロ」「毎月の家計はプラスマイナスゼロだが臨時費用は貯金を切り崩しているため、年間で30万円程度貯金が減っている」など

※年が明けてわずかであれば、前年を「該当年」と考えてもいい

2:今後数年間の「支出」「収入」の変動

前章で紹介した「ライフプラン」を参考に、「今後数年間で家族に起こるイベント」と「イベントにかかる費用」を確認します。

支出については「中学受験に向けて来年から塾を増やしたい」「車の調子が悪いので数年以内に買い替えが必要」など状況に応じて必要な費用を見積もります。また収入について「来年以降は時短勤務が明けるので毎月〇〇万円程度増える予定」といった良いニュースもあれば「住宅ローン控除が終わるので手取り収入が減るだろう」などのマイナスのニュースもあるでしょう。

数年間の家計状況を確認しよう

1と2の要素を合わせて家計を考えると、数年後の家計の様子が推測します。まずは「毎年の収支がマイナスになるかどうか」を確認し、次いでマイナスになる場合は貯金額と照らし合わせます。リスクレベルは概ね次のようなものがあります。

■余裕は減ったが収支はプラスで、貯金等は変わらない

■収支は若干マイナスだが、貯金等を切り崩さなければならない

■収支がマイナスで、貯金等も不足する見通し

 

仮に年間の収支がマイナスだったとしても、貯金等で賄えれば家計は維持できます。しかし貯金等がマイナスなってしまうと、家計が維持できなくなってしまいます。世帯資産(貯金等)がマイナスになる場合は早急に対応しないといけません。

 

3 家計のリスクレベルに応じた対応を

ご自身の世帯におけるリスクを数年単位で確認したら、リスクに応じた対処を行います。対処法は突き詰めると「入ってくるお金を増やす」「支出を減らす」の2つです。

1:入ってくるお金を増やす

シングルインカムの夫婦であればダブルインカムを目指す方法があります。すでに働いている人であれば今の仕事で給料アップの方法を探る、副業を検討するなど複数の選択肢があります。

具体的な方法についてはライフプランを生かして考えることをおすすめします。例えば「直近で大きな支出があるのでどうしても資金が必要」といった場合は、短期間と割り切って体力的に厳しくとも副業を行うのも有効かもしれません。逆に「毎月の収支がマイナスで、じりじりと貯蓄が減っていく」場合であれば、継続して収入が得られるよう、無理の無い方法を選択します。

2:支出を減らす

支出を減らすと聞くと、多くの人は「節約」を思い浮かべるかと思います。確かに日々の暮における「節約」も重要ですが、ここでより重視したいのはライフイベントにかかる支出の見直しです。仮に「来年には車の買い替えが必要」な場合なら、新車ではなく中古車、もしくはカーシェアやカーリースを検討するといいでしょう。

 

リスクレベルが低ければ現状維持も選択肢に

収入減による家計リスクの度合いが小さい場合は、現状維持で済むケースもあります。特に、次のように収入の減る期間が一時的であれば、対策の必要性は低いです。

・育休が終わったら収入が増える

・転職に伴い一時的に収入が減ったが、いずれ給与水準が戻る

もちろん節約やライフイベントの見直しをすることに問題はありません。ですが、ストレスになるのであれば現状維持の方がおすすめです。必要性と、自身の希望に応じて決定します。

 

ライフプランの作成は、凝ろうと思えばいくらでも凝ることができますので、詳細かつ精度の高いものを希望される場合はプロに依頼するのが良いかもしれません。当サイトではライフプラン作成サービスは取り扱っておりませんが、ご要望があれば無料で専門家を紹介いたします。ご希望の方はお問い合わせください。

 

リスクを知ることは家計改善の第一歩

「収入減」に直面したとき、それが家計に与える影響を確認することは重要です。リスクを正しく把握しないでいると必要以上に不安を感じてしまったり、将来的に家計が破綻することに気が付かず対策を取るのが遅れてしまったりします。ライフプランを作成する場合は、少なくとも数年先を見通して影響を判断します。数年先まで見通すことで、隠れたリスクも見つけることができるからです。将来のことは分からないからこそ、見通しを付けることで家計を守る力を強化してしきましょう。