見晴らしの良い部屋があったり、セキュリティ設備が整っていたりするマンションも素敵ですが、間取りや外観を好きにデザインできる注文住宅も魅力的です。

とはいえ注文住宅を土地から購入する場合、土地の購入費用や建設にかかる着手金などが発生するため、一定の自己資金が必要です。自己資金に不安があると「注文住宅は高嶺の花」と思ってしまうかもしれません。

しかし、つなぎ融資を有効に活用すれば、自己資金が少なくとも注文住宅を建てることが可能です。注文住宅を円滑化する「つなぎ融資」について紹介します。

(最終更新日 2020-8-17)

1 注文住宅購入の流れ

最初に、注文住宅の流れを確認します。注文住宅の資金の流れは、一般的に次の通りです。

【一般的な注文住宅購入の流れ】

  1. 土地売買契約 手付金
  2. 土地購入(引き渡し)手付金を差し引いた土地購入代金
  3. 建設着工金
  4. 建設中間金
  5. 建物完成
  6. 建築費の残金支払い・引き渡し※ここで住宅ローン融資実行

住宅ローン融資が実行されるまでに、複数回支払いが生じることが分かります。建築会社によって多少の違いはありますが、土地代については全額、建築費は6割程度を完成前、つまり住宅ローン融資の前に支払います。住宅ローンは完成した住宅を担保にしたローンなので、原則として住宅が完成する前に住宅ローン融資を利用することはできません。

仮に土地代3,000万円、建物の建築費が2,000万円だったとします。その場合必要な自己資金の目安は次の通りです。

1 土地代 3,000万円

2 建築費 2,000万円×60%=1,200万円

3 1+2=4,200万円(3,000万円+1,200万円)

 

4200万円もの自己資金がある人はそう多くないでしょう。そのため注文住宅では住宅ローンの前に「つなぎ融資」を活用する例が多いです。

 

つなぎ融資利用の流れと注意点3つ

注文住宅では住宅ローン融資の前に、大きな支払いが複数あります。そのため自己資金に不安がある人は「つなぎ融資」を利用します。

つなぎ融資は住宅ローン融資実行前の土地購入や建設費にかかる支出を賄うことができる融資です。通常は「土地購入代金の10割」と「建築費の8割程度」を条件に、3~4回の融資が利用可能です。つなぎ融資で借りた資金は住宅ローン融資にスライドさせることができるため、実質的に自己資金なしで注文住宅に必要な支払いをすることができます。

つなぎ融資の注意点は次の通りです。

注意点1 事務手数料や利息がかかる

10万円程度の事務手数料がかかりますし、融資である以上、利息も発生します。利息や事務手手数料は、別途支払う場合もあれば、つなぎ融資の融資額から引かれることもあります。

つなぎ融資は基本的に担保なしで融資可能ですが、その分利息金利は住宅ローン金利と比較して高めです。通常つなぎ融資の借入期間は、土地の売買契約締結から住宅ローン融資実行までと、決して長くはありません。しかし融資金額が大きいので、総合すると意外と大きな金額になってしまうので注意します。

注意点2 取扱金融機関が限られる

住宅ローンを選ぶときには、つなぎ融資の取り扱いがある金融機関を選ぶことが重要です。住宅ローンを組む予定の金融機関につなぎ融資がなく、仕方なく異なる金融機関でつなぎの資金を借り入れてしまうと、それが住宅ローンの審査時にマイナス材料になる可能性があります。当初からつなぎ融資のある金融機関の住宅ローンを検討するのがベストです。

注意点3 審査がある

つなぎ無担保で借りることができますが審査はあります。つなぎ融資が受けられないと、その後の注文住宅購入に大きな支障が出ます。資金繰りが理由で土地の購入が遅れれば、売主が他の人に土地を売却してしまうこともあり得ます。審査を通るためには、身の丈に合った借り入れをすることが重要です。注文住宅の総額からつなぎ融資の金額を逆算し、無理ない借り入れプランをたてましょう。

 

つなぎ融資をうまく利用して注文住宅の資金繰りをスムーズにしよう

手元資金が乏しい、もしくは温存したい人にとってつなぎ融資は非常にありがたい存在です。しかし無条件に「つなぎ融資がるから」と安心してはなりません。つなぎ融資には事務手数料や利息がかかりますし、土地の売買契約のときに土地の所有権移転登記手数料や司法書士報酬が、仲介会社がいれば仲介手数料が発生します。

また、つなぎ融資では「着工金」「中間金」など支払いの目的ごとに、融資の上限金額が決まっていることがほとんどです。支払いの回数やタイミングが厳密に決まっていることもあります。つなぎ融資を有効に活用するためには、つなぎ融資の内容に応じて住宅建設を進めていかなければなりません。
早い段階で建設会社、もしくは工務店とのすり合わせが必要ですので、建設会社も早い段階で探しておくといいでしょう。

実は建設が長引くと、つなぎ融資の利息額が膨らむだけでなく、つなぎ融資の融資期間が終了してしまうことがあります。建設会社につなぎ融資の融資期限を伝えるなどして、つなぎ融資の期限が切れることのないようにします。つなぎ融資の内容を知ったうえで活用していくことが重要ですです。

もしも建設会社探しを後回しにしている場合は、ハウスメーカー・工務店を比較できる持ち家計画 」などを使い、気になる工務店を資料請求してみましょう。

なお、つなぎ融資は注文住宅だけでなく、中古物件を購入し、リノベして住むケースでも利用できます。リノベーションについては、リノベーション専門の建設会社・工務店に工事を頼むと安心です。リノベーションには耐震性能や機能性の刷新など、ニーズがさまざまです。
資料請求だけでなく、実際に疑問点や構想を相談できる「新築がすべてではない。中古リノベーションはLOHASstudio 」を活用してみてもいいでしょう。中古物件をリノベーションして購入したい人は、資料請求だけでなく一度話を聞いてみることをおすすめします。ただし、工務店側と話をして、価格が膨らんでしまうことのないようしたいです。価格の上限をしっかり確認してから話を聞くといいでしょう。

事前につなぎ融資の特性を知って注文住宅を成功に導こう

つなぎ融資で借りた資金は、最終的に住宅ローン融資にスライドされ、住宅ローンとして返済していきます。そのため、つなぎ融資を利用するときは、注文住宅にかかる費用の全体像を当初から把握していくことが大切です。総額を意識しながらつなぎ融資(土地購入費や建設費)を考えることで、資金繰りだけでなく住宅ローンの返済も安定します。ただし、つなぎ融資には金利の高さや取り扱いの有無など、注意点がいくつかあります。土地を仲介する不動産会社・建設会社・金融機関などと、連携しながら段取りよく注文住宅を進めていきましょう。

参照